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振り込め詐欺も楽じゃない

夕方のニュースを見ていたら振り込め詐欺の実行犯に電話で取材するルポをやっていた。はがきで届いたニセの懸賞当選のお知らせの問い合わせ先に電話して色々と探るのだ。

知る人ぞ知る『イマイ記者』と名乗るこの人。
何年か前にもスーパーテレビで架空請求を送りつけてきた相手に電話して、電話を切られても切られても色々聞き出していた。この取材がまた笑っちゃうほどしつこくて、一度食い付いたらもう絶対に引き下がらない。

詐欺の内容は、とある大手オークションの主催する懸賞でプラズマテレビが当たりました、とハガキで届くんだそう。で、お問い合わせ先として書いてある電話番号に連絡すると、テレビを発送する実費として3万円弱を先払いしろ、という話をされる。

悪徳業者のほうも最初は当選者のふりをしてかけているイマイ記者に、いいカモだとうまいこと送料を振り込むようにと愛想よく対応している。
ところが、しばらくしてまたイマイ氏から電話が入る。
オークションサイトに確認したが懸賞の事実はない、書いてあった住所にも行ってみたがそこには交番があった、などなど、少しづつ疑惑を探り出す。
もちろん、詐欺の相手はキレはじめ、バックに恐い人がついていること、今からお宅に若いのを伺わせますんで、などと脅しにかかる。
そうなったらもう、イマイ記者の術中にハマっていることにはまだ気づいていない可哀想な詐欺師、笑。

そこからは、粘着イマイ記者のそこらへんのストーカーなんかよりもずっとしつこい電話攻撃が開始される。

詐「はい、○○懸賞事務局です」
イ「あ、もしもしぃ~」
詐「またあんたかよ! ガチャ」

ピピピ・・・(リダイアル)

詐「はい、○○懸賞事務局です」
イ「あ、もしもしぃ~」
詐「またあんたかよ! なにも話すことないっていってんだろ! ガチャ」

ピピピ・・・(リダイアル)
詐「はい、○○懸賞事務局です」
イ「あ、もしもしぃ~」

詐欺師も相当うんざり。電話口の向こうでかなりげんなりしているのがよくわかる。

途中で詐欺師のひとりがテレビで見たことのあるイマイ記者だと思い出す。電話の向こうで「あ、わかった。俺こいつテレビで見た。しつけーやつ」

詐「あんたの正体分かったよ」
イ「あ。ほんとですか?」
詐「テレビだろ、取材なんだろ? あんたテレビで見たことあるよ」
イ「え、ほんとですか? そのとき私なにやってました?」 
詐「電話してたよ、何度も何度も。机に座ってな。」
イ「え? 机に?」
詐「あ! 机じゃねぇやな、椅子だ、椅子に座ってたよ。」

・・・・なんか、和む会話がなされています、笑。

このストーカーイマイ記者のすごいところはここから。

いつの間にか微妙に和む空気を醸し出したのか、ついつい詐欺師が色々しゃべっちゃうんだよね。

イ「まぁ、こちらの正体もわかっちゃったってことで、ここからは腹を割って話したいんですが、実際これやるのにいくらくらい投資したんですか」
詐「ん~500くらいかな」
イ「500? 何にそんなにかかるんですか?」
(え?そんなに資金かかるの振り込め詐欺って。。。元手ないと詐欺もできないんか...苦笑)
詐「そらハガキにきまってるだろ」
イ「あ~ハガキに...」
詐「あ~だからひとり170万づつかけて...」
イ「で、実際電話かけてきてお金払った人とかいるんですか? お年寄りとか...」
詐「お年寄りにはハガキは出してませんっ!なぜならインターネットをしないから」
(ごもっとも。だけどいばるなよ、笑)
イ「で、実際振り込まれたのは」
詐「まぁ、今回は失敗か成功かっていったらまぁ失敗の部類に。。。なぜならひとつも振り込みがないから...」
(すでに詐欺師、愚痴モード、笑)
イ「あ、振り込まれてない、一件もですか。。。でも最近、逮捕されたり多いですからやっぱりやめた方がいいと思うんですよ」
(へこんでる詐欺師に追い討ちをかけるイマイ記者)
詐「そりゃそう思いますよ。だから俺もこれで一発当てて海外にいこうかと思って...」
(いつの間にか敬語の詐欺師、爆)
イ「ちなみにおいくつなんですか?」
詐「23です」
イ「23っていったらまだまだ色々これからやり直せるときじゃないですか。振り込みのまだない今のうちに...」
(振り込みないないいうなよ、凹んでるんだから、笑)
・・・調子に乗るイマイ記者にめんどくさくなってきたのか、なんとか切りたい方向に持っていく詐欺師。
詐「ハイハイ、ありがとうねイマイさん。まぁ考えますよ」
イ「ほんとですよ、今ならまだ.....」
詐「はいはいはいはい、ありがとね、それじゃあね」

そして数日後また電話をかけたイマイ記者。
電「この電話は現在使われておりません」
この詐欺グループには二度と連絡はとれなくなったそうです、笑。

ちなみに詐欺師いわく、イマイ記者がしつこくしつこく電話をかけてくるために転送にしている電話代がかかってしょうがないそうで、かなり怒っていました。爆

う~ん、イマイ記者恐るべし!

ちなみに私も架空請求がこんなに話題になる前に、メールで23万近くの請求をされたことがありまして。非通知にして問い合わせ先に電話したことがあります、爆。
3人くらい電話口に出てきたっけかなぁ。
見てるわけもないエロサイトだったので、見てるはずもない、でも万一間違ってクリックとかしちゃってて払わなきゃいけないものだったら考えるけど、その経緯が分かるように説明と履歴とか納得できる紙を用意してみせてくれ、としつこく聞いた記憶が...苦笑。
そういえば、そのときも相手がうんざりしてたのかな、途中で向こうがさじを投げた覚えがあります。
だって身に覚えがなかったんだもん。
家にくるって言われたけど(脅かしたかったんだろうけど)、いやいやそんなお手数おかけしなくてもこちらから伺いますよ、このハガキに書いてある住所にね。もちろんひとりじゃ不安なので弁護士をつれて行きますけどちゃんと納得の行く説明していただければなんとかして払いますから、って言ったあたりから逃げ腰になっていました、笑。

まぁ、詐欺をするのも簡単じゃない。世の中そんなに甘くないってことですよ。